ジャン氏のオムレツ、それは、口の中で消えてゆくムース系




料理を学ぶには目で見るのが早いということで、プロによるHOW TO映像を日々探してまわっております。今回はそんな最中に非常に独特なオムレツの作り方を発見しましたのでご紹介したいと思います(ぜひ映像を見て頂きたいです)。

このありそうでなかったふわふわなオムレツを生み出したのは、パリにL'ACAJOUというお店をかまえるシェフ、ジャン氏(Jean Imbert)。お店の公式WEBサイトを覗いて見ると、L'ACAJOUにはストリートアーティストとして有名なJRの作品が飾られていたりと、ジャン氏のモダンな潮流に対する感度の高さが垣間見えます。

そして、早速この興味深いオムレツを見よう見まねで試してみると、外側はしっとりと香ばしく、中心はサバイヨンのようなぷるぷるのオムレツが出来上がりました。ムースが口の中で消えてゆく楽しい食感と、圧倒的に軽い食べ心地。甘くしたり、ハーブを合わせたりと、様々なアレンジも出来そうです。ホームパーティーで友人達と交代で泡立てて、一緒にわいわい食べたりするのにも向いてそうです(泡立てるのに少し根気がいります)。これはレパートリーの一つに加えて損は無いでしょう。

成功のポイントとしては、卵が白っぽくなるまでしっかり泡立ててムース状にし、底の面を薄く焼き固めるイメージで、弱火で行うと良いでしょう。熱がまわり過ぎるとスフレっぽくなってしまうので、あくまで底の面以外は軽いムースの状態をキープ出来るようにイメージしながら焼いてゆくと上手くゆくでしょう。

バターは無塩バターを用いると塩味のコントロールがしやすいと思います。塩打ちに自信が無い方は、小数点まで測れるキッチンスケールを購入し、卵の重量に対して0.9%の塩を加えるようにすると、失敗を避けられます。薄味派でしたら0.8%ぐらいが丁度良いかもしれません。

【作り方】

①全卵3個をボールに入れ、8の字を描くように泡立て、空気を多く含ませムース状にする。
②塩とブラックペッパーを適量加え、もう一度撹拌する。
③フライパンにオリーブオイルをひき、ゴムベラを使って材料をすべてフライパンに流し込み、加熱する。
④オムレツの底がめくれるようになったら、フライパンとオムレツの間にバターを挟み込み、底の面に焼き目がついたら火から外し、5分間を目安に余熱で調理してから盛りつける。