基本のドレッシング、ソースヴィネグレットのバランスを知る




市販のドレッシングには美味しいものが多く有るかもしれません。たまたま試す機会があった幻といわれている会員限定のジョセフィーヌドレッシングは旨味が強すぎず、野菜の持ち味を引き出すようなタイプで、凄く好みでした。しかし、基本的なドレッシングは家庭に常備しているもので簡単に作れますので、今まで作ってこなかった方には是非試して頂きたいと思います。今回は少ない材料で簡単かつ美味しく作れるドレッシング「ソースヴィネグレット」のバランスについて引用を交えて書いてゆきたいと思います。

まず、ソースヴィネグレットという名前がマイナーな為、フレンチドレッシングとして紹介されることもあるので話が少しややこしくなっております。

ヴィネグレットソース(仏:sauce vinaigrette、vinaigrette)は冷たいソースの一種でサラダに使われることが多い。

フランス料理における最も基本的なサラダドレッシングなので、フレンチドレッシングとも呼ばれることもある。酢と油を1:3の割合でよく混ぜ、塩・胡椒で調味したもの。

(中略)アメリカ合衆国で生まれた「フレンチドレッシング」(French dressing)はヴィネグレットに砂糖またはケチャップを混ぜたものであり、フランスでは見られない。

Wikipedia ヴィネグレットソース

今回は油と酢、塩を基本としたドレッシング「ソースヴィネグレット」の話を進めてゆきます。このソースヴィネグレットは私も作る機会がけっこう多いです。油とお酢、塩胡椒があれば短時間で作れますから。最もミニマルな場合は以下の通りになります。

キャノーラ油 / 30cc
白ワインヴィネガー / 10cc
白胡椒 / 適量
塩 / 適量 (2g前後を目安に)

時間に余裕がある時は冒頭の動画のようにディジョンマスタードや粒マスタード、生のチャービルや大葉などのハーブを混ぜて作ります。マスタードは界面活性剤としての役割をはたし、水分と油分が分離するスピードを和らげてくれます。油は最後に少しづつ垂らしながら泡立て器で撹拌すると、乳化させるのに有利です。

ソースヴィネグレットを作る際に、Wikipediaに記載されている比率と同様に「油 3 : ヴィネガー 1」のバランスを守ると経験上、無難に仕上がるように思います。重すぎず、酸っぱすぎずという具合です。

油にEXVオリーブオイルを使用する場合は分量に注意が必要です。それはオイルの香りと味が強いので、野菜がドレッシングに負けてしまうこともあるからです。彩るようにドレッシングを皿に直接飾る場合は、食べる人がドレッシングの量を調整できますので、ある程度強い味わいでも問題はないと思いますが、野菜の上に直接かけたり、合えたりする場合は野菜の持ち味を殺さないことが重要だと思います。

それでは、Quugle検索で見つけたプロのレシピを見てみましょう。まずは10年連続でミシュランガイド東京の1ッ星を獲得している名店「代官山 レザンファン ギャテ」の元オーナーシェフである原口広氏のソースヴィネグレットは以下の通りになります(現在のシェフは松澤 直紀氏)。

《ソースヴィネグレット》

ディジョンマスタード(マイユ)6g
シェリーヴィネガー(マイユ)35cc
白ワインヴィネガー(マイユ)35cc
ピーナッツオイル140cc
ピュアオリーブオイル140cc
塩、胡椒適量
ジュ・ド・プーレ少量

TOKYO GAS 最適厨房ONLINE 第二十一回 レザンファン ギャテ オーナーシェフ 原口広氏

オイルが280ccに対してヴィネガーが70cc。「油 4 : ヴィネガー 1」のバランス。オイルの分量を多くすると酸味が和らぎ、ドレッシングの粘度をあげることができます。皿を彩るにはこれぐらいのかたさが適しているのかもしれません。限度もありますが、粘度が高まるにつれ皿にきれいなラインを引きやすくなります。料理研究家の長谷川智永子氏もこの「油 4 : ヴィネガー 1(レモン汁なども含めて)」を黄金比率として推奨しております。

続いて銀座にフレンチレストラン「Adonis T table」をかまえるシェフ、拳杉槙一氏のレシピを見てみましょう。

<ヴィネグレットドレッシング> 

ワインビネガー50ml
マスタード小さじ1
オリーブオイル200ml
おろし玉ねぎ小さじ1
おろしにんにく小さじ1
塩小さじ1と1/2
こしょう少々

オリーブオイルライフ 【シェフレシピ】アドニス風サラダ ヴィネグレットドレッシング

またもや「油 4 : ヴィネガー 1」。マスタードの分量も最初に紹介した原口広氏のレシピに近い。バランスを見る限りニンニクが強調されたドレッシングとなっているようです。

そしてフランス料理界の重鎮、上柿本勝氏が書き下ろしたソース専門のレシピブック「フランス料理のソースのすべて ソース」によるとソースヴィネグレットのバランスは「油 3 : ヴィネガー 1」となっております(詳細な材料を知りたい方は、ぜひ本を購入して下さい)。

いかがでしょうか。今回ご紹介していないレシピでも圧倒的に「油 3 : ヴィネガー 1」か「油 4 : ヴィネガー 1」のどちらかのバランスが多く、これを基本形として記憶しておいて間違いはないでしょう。

最後に冒頭でご紹介した動画の制作者、えもじょわ氏のソースヴィネグレットのレシピを引用して終わりにしたいと思います。

ディジョンマスタード 大さじ3
酢 100ml(リンゴ酢や白ワイン酢、赤ワイン酢、米酢など)
塩 小さじ2
コショウ 適量
菜種油やひまわり油 250ml
クルミオイルなどのナッツ系オイル 50ml
砂糖 小さじ1~3(必要であれば)

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